客：「ちょっと、聞きたいんだけど」



そのお客様は開口一番、そう切り出しました。

なんとなく雰囲気がクレーマーっぽく、内心またか・・・と思いながら

僕はそのお客様の話を聞きました。




客：「あのさ、昨日家内がこのフィルムをお宅に出したんだけどさ、これってなに？」


そういって、お客様はプリント袋からフィルムのケースを取り出しました。


中には現像されたネガが裁断されない状態で入っています。



客：「これってどういうこと？これ、変だよね？」

レク：「確かに変ですね」



なぜネガだけ裁断されずに入っているのか……？他にはプリントもされていません。



そこでふと思いついたことがありました。



レク：「もしかして、現像だけ、頼まれたのでは？」

客：「へ？」


レク：「憶測なんですが、これを受け付けたとき、お客様のほうが『現像お願いします』と言ってしまって、そのため現像のみされているんじゃないかと……。なにかそのようなことありませんでしたか？」


客：「現像お願いします、じゃだめなわけ？」


レク：「ええと、みなさまが普通するのは同時プリントというものでこれは現像＋プリントなんです。で、現像のみというサービスもあるんですよ。そのために、こうなっちゃったんじゃないかと……」



客：「これ、妻が出したんだけどさ、そういえば、なんか色々聞かれたと……。『現像のみでよろしんですか？』とか……。よく分からないから全部返事しちゃったらしんだけど」



それが、原因です。（笑）




と、結局はプリントをすればいいだけなので、焼き増し扱いで注文を受けました。




でも、実はかなりの人が「現像お願いします」という感じで受付します。だから、従業員もだまって同時プリントをするはずなんですが……。ちょこっと長くやっていると「同時プリントと現像というのは違うサービス」ということにこだわっちゃうんですよね。今回の原因はそこにあります。



誤解を生まないためには「これ、お願いします」と言うのがベターかなと。